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第5回サイエンスカフェ「おいしく焼き肉を食べるための食中毒講座」開催報告

掲載日: 2013年10月2日

おいしく焼き肉を食べるための食中毒講座

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暑い日でしたが、多くの方にご参加いただきました。

8月2日、第5回サイエンスカフェ「おいしく焼き肉を食べるための食中毒講座」を開催しました。
学生や主婦、研究者など、多種多様な立場の方にご参加いただきました。今回は、こちらのサイエンスカフェではいつも司会を務めているセンター長の関崎勉教授が話題提供を行い、細野ひろみ准教授のファシリテーションのもと進行いたしました。
参加者の皆様からは、日頃の体験に基づく疑問など多くの質問や意見が上がり、話がふくらんでいきました。

※以下、記載がない場合の発言は関崎氏

菌は見えないだけで、至るところにいる

  • 大腸菌の大きさは0.5ミクロン(幅)くらいです。ミクロンは1/1000ミリなので、目では見えません。どの細菌も大体0.5ミクロンから1ミクロンの大きさです。
  • 私たちの体は細胞が多く集まってできていますが、細菌は単細胞です。一つの細胞が分裂して増えていきます。1が2になり、2が4になり、4が8になり、8が16になり・・大きな集団になります。
  • 菌は見えないだけで、体の表面や口の中、地面など至るところにいます。以前は、口の中は100種類から300種類の菌がいると思われていましたが、最新の技術を使って調べたところ、およそ700種類もいるそうです。
  • 菌の中には、腐敗菌と食中毒菌と呼ばれるものがあります。腐敗菌は増えると食べ物を腐らせます。皆さん腐った食べ物は食べないと思うので良いとして、もし、食べ物を腐らせないくらいの量の腐敗菌を食べてしまっても健康に影響は出ません。それに対して、食中毒菌は、食べ物が腐るほどの量でなくても、病気を引き起こします。
細野

ヨーグルトを作る乳酸菌とか納豆を作る納豆菌は何になりますか?

関崎

私たち人間にとって良いものができれば発酵、悪いものができれば腐敗と区別しています。食中毒について考える時は、細菌は、発酵菌あるいは腐敗菌と食中毒菌に分けて良いと思います。

細野

ばい菌と呼ばれるものやウイルスと細菌の関係はどのようになっていますか?

関崎

ばい菌は、カビなど微生物類も全てまとめた呼び方だと思います。ウイルスは、細菌とは異なります。細菌は栄養さえ与えれば寒天の上でも増えることができますが、ウイルスは動物や植物の細胞の中でないと増えることができません。鳥インフルエンザが問題になった時、病気にかかった肉を食べて大丈夫だろうかという話がありましたが、死んだ細胞の中のウイルスはそれ以上増えることはないので大丈夫です。

参加者

ウイルスに感染した鳥から感染することはありますか?

関崎

鳥と人では感染するウイルスの量が異なります。鳥はほんの少しの量でも感染してしまいます。中国やベトナム、エジプトでは、生きている鳥と濃厚に接触した人が感染していますが、そのように肺の奥の方までたくさんのウイルスが入らないと人へは感染はしません。肉になった鳥を食べることで感染することはまずありません。

大腸菌何個あれば食中毒が起こる?

  • 大腸菌は、条件が揃っていると、20~25分で一回分裂します。26.6回分裂すると一億個になります。26.6回分裂するのにおよそ11時間かかるので、夜7時のご飯に一個菌がいて、きちんと保存をしていないとすると、朝6時には一億個になっていることになります。一億個になっていると食べ物はおそらく腐り出しています。食中毒は一万個くらいあれば起こりますが、この数になるには5時間半かかります。
  • O157といった強い菌だと100個くらいで食中毒になり、この数には2時間半で到達します。
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スライドを使って話題提供をします。

細野

大腸菌一個では食中毒は起こりませんか?

関崎

一個では起こりません。一個入っているものを、37℃ほどの丁度よい温度に5時間半置いておくと一万個に増え、食中毒が起こります。

細野

夏の部屋の温度ではどうですか?

関崎

30数℃では、少し遅くなりますが、大体同じような早さで増えます。冷房を効かせて20数℃だと、3倍4倍以上の時間がかかります。10~15℃だと、増えていることがほとんど分からないくらいになります。菌の増え方というのは、最初から急激に増えるのではなく、一個が二個に、二個が四個になるのはやっとのことです。それが積み重なって、あるときに急激に増えることになります。

食中毒を引き起こす菌にはどのようなものがある?

  • 今日は肉に関係する菌である腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラについて主に話します。
  • 厚生労働省は毎年、食中毒の患者数の統計をとっています。平成8年には、大阪の学校給食を発端とした大規模なO157食中毒がありました。患者数は一万五千人に届くほどです。世界的にもこれほどの規模の食中毒はないので、日本国民は皆O157を知ることになりました。ですが、実はこの年はO157よりもサルモネラの患者数の方が多かったのです。大きな食中毒事故があると、普段病院に行かないような人も病院に行くので、より患者数が多くなる傾向はあると思います。
  • サルモネラの原因食品として多いのは卵と鶏肉ですが、この統計を見て、養鶏業界と農林水産省は一緒になって色々な対策を立てました。その効果が出て、今では日本は世界でも稀に見るサルモネラの少ない国になっています。
  • 腸炎ビブリオは元々海にいる菌で、海産物の表面に付いています。平成10年にビブリオ食中毒患者が突出していますが、このときは世界中で流行するパンデミック株というのが出回っていました。以前は水揚げされた魚はパック詰めされる際、真水で洗うとおいしくなくなるので、工場の目の前にある海水で洗われていました。これが原因で切り身の表面に海水中のビブリオが付着し、食中毒が起こったということが分かりました。今は海水を使う場合は殺菌することが義務づけられています。そのお陰でビブリオ食中毒は激減し、一昨年や去年は、ビブリオは日本では絶滅するのではないかと言われたほどです。海外ではまだパンデミック株があり、日本食ブームもあるので、ビブリオ食中毒は相変わらず流行っています。
  • カンピロバクターはあまり知られていませんが、患者数は毎年多く、一年に3千人以上の患者が報告されています。病院に行かない人もいるので、実際の患者はこの10倍はいると思われます。平成24年は、カンピロバクターの次に多かったのがサルモネラです。O157の患者数は少ないです。一昨年の秋からユッケの規格基準がとても厳しくなり、昨年7月からはレバ刺しが完全に禁止になりました。そうした規制の効果が出て、また、消費者の意識が高くなり、平成24年は特に激減したと考えられます。
  • 死亡者数は、平成8年から24年では、O157は38人、サルモネラは19人いました。O157は時々大きな事故がぽつぽつとあり皆さんの記憶にも残りやすいですが、サルモネラは毎年数名ずつ死亡者が出ており、決してあなどれません。細菌ではありませんが、一番死亡者が多い食中毒はフグで40人です。

O157について

  • 大腸菌は表面の構造でタイプが分けられ、現在は180種類くらいがあります。腸管出血性大腸菌O157は、大腸菌Oタイプの157番目に発見されたものです。
  • 症状は腹痛や鮮血便、頭痛で、普通はこれだけの症状で終わります。しかし、この食中毒の怖いのは、治った頃に別の症状が出るところです。O157が出す毒素のせいで腎臓の毛細血管の内側の細胞が死ぬ溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を発症することがあり、最終的には死に至ることもあります。HUSや脳症になるかどうかは、その人の抵抗性や口にした菌の数によって決まります。
  • この大腸菌は動物のお腹の中にいます。37℃くらいの温度が丁度よく、60℃70℃などではすぐに死にます。人間に対しては病気を起こしますが、普通は動物では病気を起こしません。
  • この大腸菌は、羊は67%、牛は20%、豚は7.5%、馬は0.4%の糞便中から採れます。日本の牛枝肉には、0.2~5.2%に付着しているというデータがあります。元々は糞便中にいるものなので、ホルモンやレバーに付着しやすい他、井戸水に流れたり、肥料から野菜に付着して食中毒につながることもあります。O157を完全になくすことは難しいので、ある程度の割合で汚染されていることを意識し、対策を考えなければなりません。

カンピロバクターについて

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ファシリテーターの細野さんが話の合間に疑問を投げかけます。

  • カンピロバクターも同じく動物のお腹の中にいます。親鶏は50~80%の糞便中から採れます。牛や豚が汚染されていることもありますが、原因食品としては圧倒的に鶏肉が多いです。養鶏場によってはカンピロバクターが全く居ないところもあり、その理由は色々と調べられていますが、未だに分かっていません。出荷するブロイラーの汚染率は30~40%です。流通する内にさらに増え、小売店に出る時点ではひどい場合で96%が汚染されています。鶏肉には必ず付着していると思った方が良いでしょう。
  • カンピロバクターは熱や乾燥に弱いので、乾いた場所に置いていればすぐに死んでしまいます。逆を言えば、新鮮な肉ほど菌は死んでいないということです。カンピロバクターが増えるには特別な環境が必要で、普通の場所では基本的には増えませんが、冷蔵庫などの低温では死にません。症状はO157と同じく腹痛、頭痛、吐き気、血便などです。O19型のカンピロバクターに感染してひどくなると、神経麻痺になるギランバレー症候群になります。
  • 日本人はお腹を下すことが非常に多いそうです。それに慣れてしまい、お腹を壊したら、食べ過ぎ?お腹冷やした?などの理由をつけて、温かくして横になります。すると自然に治るのですが、実は食中毒だったということが多いようです。逆に、吐くと病院に行く人が多いようです。今日は話しませんでしたが、セレウス菌による食中毒は嘔吐するタイプと下痢するタイプがあります。ヨーロッパでは嘔吐と下痢の症状が半々でいるそうですが、日本では圧倒的に嘔吐するタイプです。それは下痢するタイプがないということではなく、日本人は下痢をしても病院には行かないためであると言われています。

サルモネラについて

  • サルモネラもお腹の中にいる菌で、牛と鶏では0.5~5.7%の糞便中から検出され、牛挽肉では10%近くで検出されたという事例があります。サルモネラ食中毒の原因食品は卵などです。
  • サルモネラを保有している動物は症状が出ます。サルモネラはおよそ2500種類があります。もし肉から強毒のタイプのサルモネラが検出された場合は、その肉は全て廃棄をすることになっています。しかし、わずかな量だけ菌を保有している場合、動物に症状は出ずに、一見健康に見えます。鶏が菌を保有している場合、卵の中に侵入してしまうことがあります。すると、その卵のヒヨコは死んでしまいます。私たちが食べる卵は無精卵なので、元々ヒヨコは生まれず、サルモネラが侵入していても分かりません。農場がサルモネラに汚染されている場合、そこで採れる卵200個のうち、1、2個からサルモネラが検出されます。
細野

農場の汚染の割合はどのくらいですか?

関崎

それは分からないのですが、市場に出ている卵の汚染割合は、3千個に1個という説と、2万個に1個という説があり、そんなに多くありません。さらに、汚染されている卵に入っている菌の数は1、2個なので、きちんとした保存をしていれば食中毒に繋がることはありません。

細野

スーパーでは卵が冷蔵庫ではなく棚に並んでいることがあるのですが、大丈夫ですか?

関崎

あの光景を外国の方が見るとびっくりするそうですが、日本の卵はあまり汚染されていないという点、卵の外側はGPセンターという施設で洗っているという点が違います。家に持って帰ったら必ず冷蔵庫に入れて下さい。

細野

サルモネラ食中毒の対策として、「十分加熱した肉・卵を食べる」と書いてありますが、半熟の卵はどうですか?

関崎

元々どのくらの菌がいたかによりますが、温泉卵くらいの加熱では菌は死にません。

参加者

冷蔵庫では、ドアポケットのところに入れた方がいいのですか、それとも奥の方に入れた方がいいのですか?

関崎

ドアポケットの部分は大体10~15℃で、そのくらいの温度であればそんなに菌は増えないと思います。ただ、古くなってきた卵はよく加熱をして、生卵を食べる場合は新しい卵を使うといいと思います。

肉には菌は表面のみに付着しているが・・

  • 肉には基本的に表面のみに付着しているので、本来は表面を加熱すれば大丈夫です。しかし、表面の汚染が中に拡大してしまう場合があります。
  • 一つは、成形肉と言って、細かな肉をゼラチンによって一つの肉のように固めてサイコロステーキのようにするものです。実際に数年前にチェーン店で、お客さん自身が鉄板上で焼くスタイルのサイコロステーキで食中毒が出ました。
  • それから、肉を柔らかくするために筋を切るテンダリングです。針で刺すことによって、肉の表面に居る菌が中に入ってしまいます。
  • 他に、肉を調味料の中に漬け込んで味を染みこませるタンブリングや、針で刺して肉の中にうま味を注入するインジェクションです。こうした加工がされていない肉であれば、表面を焼けば菌は死ぬので大丈夫です。
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飲み物を飲みながらも、真剣にメモをとる参加者の皆さん。

参加者

そうした加工をした場合、食品表示の義務はないのですか?

関崎

テンダライズやタンブリングなどの処理を行った肉については、O157などの病原微生物による汚染が内部に拡大するおそれがあることから、「あらかじめ処理してありますので中心部まで十分に加熱してお召し上がりください」 などの表示が義務づけられています。なお、外見上、容易に未処理の肉と区別のできるような処理を施したもの(ハンバーグなど)については、表示をしなくてもよいことになっています。
<参考>
広島市による資料

食中毒を防ぐためにできること

  • 食中毒菌の対策は、生の肉には菌が付いていると思って行うことが大切です。食中毒対策の三原則は、菌を付けない、菌を増やさない、菌を殺す、です。
  • 調理の際には、生肉を触って良いものと、触ってはいけないものを区別します。例えば、生肉と生野菜は同じ包丁とまな板で切らないようにしましょう。もし一緒に切りたいのであれば、まず野菜を切ってから、肉を切りましょう。焼き肉をする時には、生肉は菜箸やトングで取り、焼き上がった肉を取るお箸とは分けるようにしましょう。生肉を触った調理器具はよく洗い、熱湯をかけるか塩素系の漂白剤で殺菌しましょう。沸騰したてのお湯でなくても、80℃くらいで菌は死にます。塩素系漂白剤は加熱をしても死なない菌にも効きます。
  • 菌を増やさないためには、調理したらすぐ食べることを心がけ、すぐに食べられないものは冷蔵冷凍で保存します。食べる前にはよく加熱するようにします。

社会で食中毒が広まる一つのストーリー

  • O157はコレラや赤痢と同じ扱いで、患者が出た場合はその家族や職場の同僚などが検便することになっています。それで菌が採れた人は、特に症状が出ていなくても、感染者として届け出られます。そうした数えられた感染者数は毎年3千~4千人であり、食中毒患者数の統計の10倍ほどの値となっています。感染者に占める有症者の割合は、若齢と高齢で非常に高く、8~9割です。それに対して30~50代では、症状が出ていない人が多いです。特に40代は4割の人しか症状が出ていません。
  • 2011年のO157集団食中毒の原因となった食品を見てみると、肉に関係しているのはユッケとバーベキューだけで、他は、団子、キャベツ、卵サンド、大根おろし等です。発生している場所は保育所やお祭り、老人ホーム等です。そして、事故の多くが家族内でも感染が出ています。
  • これらのことから、一つのストーリーが考えられます。お父さんやお母さんが外で何かを食べて菌を家に持ち帰り、その家族である子供が菌に感染する、そして子供が幼稚園等に行ってその友達に感染させる、というものです。自分に起こった食中毒は自分だけではなく、社会にも影響を及ぼし得るのです。
  • 日本では食中毒を防ぐために、農場やと畜場、検疫所できちんとした管理がされていますが、どうしても肉への菌の付着を完全になくすことはできません。そのため、食中毒三原則を意識する他、菌は食べ物だけでなく自分にも付いているかもしれないと考え、調理前にはよく手を洗って欲しいと思います。

牛肉だけではない!

  • 牛の生肉や生レバーが規制されましたが、それ以外の肉はまだ禁止にはなっていません。特に問題となるのは豚やイノシシです。これらの肉やレバーを生で出すお店があるそうです。厚生労働省も今年に入り、こうした状況を見過ごすことができなくなり、豚の生レバーがどれくらい危ないのかを知るために、E型肝炎ウイルスの実態調査を始めることになったそうです。豚には、E型肝炎ウイルスだけでなく、豚レンサ球菌やレプトスピラ、豚丹毒等、様々な菌がいる可能性がありますので、豚の肉やレバーは生では絶対に食べないようにしてもらいたいです。食べれば必ず当たるというものではないけど、当たった時には命と引き替えになることがあるのです。
参加者

少しずつ菌を取り入れていたら、免疫ができるというようなことはありますか?

関崎

あると思います。ただ、日本でこれだけ病気が減ったのは衛生状態が良くなったからです。戦後すぐの頃は、食中毒で亡くなる方が今と比べると考えられないくらい多かったのです。そういう状況に戻すというわけではなく、毎日少しずつ菌を口に入れる状況を作るのは非常に難しいと思いますので、今の世の中ではできるだけキレイにしていくのが正しい方向だと思います。

参加者

水耕栽培というとキレイなイメージがありますが、食中毒菌はどの段階で付くのですか?

関崎

水耕液に入れる栄養素や種子が考えられます。菌にとって、栄養が豊富で他に競争相手が居ない水耕栽培の環境は、増えるのにとても良い環境です。

細野

有機栽培も疑われることがありますよね。

関崎

有機栽培の肥料は動物の糞便を使っていたりするので、菌や寄生虫に汚染される危険はあります。

参加者

赤ちゃんに口移しで食べさせたりするのが良くないのは、口の中に菌がいるからですか?

関崎

口の中にいる菌で悪さをするのは虫歯を作る菌と歯周病を作る菌です。歯周病を起こす菌は大人と子供で違うことがありますが、虫歯については同じなので、それは親から子に移ると思います。それ以外は口から口でなくても自然にくっついてしまう菌なので、そんなに心配しなくても良いと思います。

参加者

洗わなくても食べられるカット野菜は菌については大丈夫でしょうか?

関崎

カット野菜は消毒されて袋に入っています。外食産業でもそうした野菜が使われていますが、そうしないと危ないです。家庭でも買ってきた野菜はちゃんと洗ってから食べるというのは普通にやっていると思いますが、実際に洗うことで菌数は相当減ります。

参加者

どの程度の症状だと食中毒だと言うのですか?

関崎

診察した医師の判断になります。同じような原因で複数の患者が来れば医師も「これは・・」と思いますが、一人しか来ないと食中毒と分からないかもしれません。病院へは、小さな子供は脱水が怖いのでなるべく早く行った方が良いです。大人は口から水分を補給していれば随分良くなっていくのですが、2日経っても下痢が治らない等であれば病院に行きましょう。その際は、食べたものを一週間くらい遡って、生や生に近い牛、豚、鶏の肉や卵、生ハムを食べていなかったかを思い出して医師に伝えると原因のめぼしが付きやすくなると思います。

参加者

40代や50代で有症者の割合が少ないというのは、この年齢層は会社を休みたくないから病院ですぐに抗生物質をもらってごまかしてしまって、重症化しにくいということがあるのではないですか?

関崎

それはおもしろい考えです。重症化する前に自分で何とかしてしまうということはあるかもしれませんね。

細野

ノロウイルスなどは病院で診断された時点で医師は届け出しないのですか?

関崎

感染症法にリストアップされているものについては必ず届け出なければなりませんが、それ以外については要望がなければ届け出されない場合もあります。
(注:ノロウイルスに関しては感染症法では届け出の義務はないが、食品を介した発症であれば食中毒として届け出が必要になり、老人福祉施設や病院などでの集団発生については保健所への報告義務がある。)

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ありがとうございました!

JRAマーク
このページは、JRA畜産振興事業の助成を受けて作成されました。
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