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第17回サイエンスカフェ「一緒に考えよう!食事と健康と寿命」開催報告

掲載日: 2016年3月2日

話題提供者の小城さん

話題提供者の小城さん

2016年2月5日(金)、第17回サイエンスカフェ「一緒に考えよう!食事と健康と寿命」を開催しました。
放送大学の小城勝相教授から、人はなぜ老化するのか、私たちにとって健康的な食事とはどのようなものなのか、健康を維持する体の仕組みについて「生命化学」という言葉で表されるように、体の中で起きている化学反応からお話いただきました。
冬の空気が冷たい日でしたが、多くの方にご参加いただき盛会となりました。ご参加下さった皆様、ありがとうございました。

○第17回サイエンスカフェ配付資料(pdf)

※表記のない箇所の発言は全て小城教授によるもの。
※質疑応答は一部抜粋。

人間にはなぜ、考えた食事が必要か

    • 人間は下等動物と違って、食べ物が本能で決まっていません。人間は何でも食べるのですが、逆に選択が必要なのです。
    • 人間の体は、水とグルコース以外の欠乏がわかりません。脳の血液が濃くなってきたと察知すると、のどが渇いたという感覚が起こり、水を飲みます。脳の血管の中のグルコースの濃度を測定して、濃度が低下してくると、おなかがすいたという感覚が起こります。しかし、それ以外の栄養素の欠乏についてはわからないのです。

必要な栄養素とは

    • 栄養素とは、体を構成する分子やイオンのことです。炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、たくさんの栄養素を取り入れなければなりません。人間は、もっとも外界に依存する生物なのですね。
    • 体内では、栄養素の変換ができます。たとえば、タンパク質から出てくるアミノ酸はグルコースに変換でき、グルコースは脂肪に変換することができます。
    • しかし、脂肪はグルコースにはならず、脂肪のままです。エネルギーとして使うしかないのです。
    • また、たとえば、ライオンはグルコースからビタミンCを合成できるのですが、サル以降、ビタミンCを合成する遺伝子が消失したため、ヒトはもうビタミンCを合成できないのです。だから野菜を食べなければならないのです。

現代人の傾向

    • 厚生労働省の調査によれば、40~49歳の男性の3人に一人は太りすぎで、若い女性の4人に1人はやせすぎです。そしてBMIと死亡率の関係をみると、太りすぎていてもやせすぎていても、死亡率が高いのです。
    • また昭和21年以降のエネルギー摂取量と栄養素等摂取量の経年推移を比べると、エネルギー摂取量は増えていない一方、動物性脂質の摂取量が増えていることがわかります。

なぜ運動が健康によいか

    • 運動すると、筋肉でATPというエネルギーが消費されて、AMPという物質に変換されます。AMPが増えると、AMPキナーゼというタンパク質が活性化されます。そうすると、脂肪や糖の分解を促進して、インスリン抵抗性を改善します。いわゆる糖尿病になりにくくするのです。
    • 運動すると活性酸素が発生します。ですから栄養条件が悪いところで過度の運動をすると、体はどんどん悪くなるのです。ただし、しっかり栄養をとっていると、抗酸化酵素ができてくることによって、人間の老化を防いでくれるのです。
    • 糖尿病は、血糖値が高いことによって、体内で活性酸素が大量に出てくるということもわかっています。活性酸素が出て酸化ストレスが増大し、動脈硬化も進行します。

生活習慣の重要性

    • 米国で、もうすぐ糖尿病になりそうな患者さん約3000人を3グループに分け、それぞれ何年後に糖尿病になったか調査した研究があります。
    • 何もしないと、4年間で約40パーセントの人が糖尿病になり、メトフォルミンという薬を飲むと、糖尿病になる率が低くなります。しかし、薬を飲むよりも発病率が低いのは、生活習慣を改善させたグループです。
参加者

血糖値が高くなって医者にかかると、何を指導されますか?

小城

まず、いきなりインスリンを注射することはないと思いますが、肝臓などで脂質や糖代謝を促進するような薬を飲ませるのが普通です。また基本的に、インスリンは脂肪をため込む方向に働くホルモンですので、運動や食事制限を組み合わせない限り、絶対によくならないです。

参加者

運動とは、どの程度のものですか。駅まで数分かけて歩くなどでもいいですか。

小城

少し強い運動でないとだめです。また、運動を始めて最初の15分ほどはグリコーゲンという糖が減るだけなので、脂肪を減らすには15分以上の運動をしなければいけません。つまり、脂肪は一度ためると減らすのが難しいということです。

酸素の生命維持機能

    • 寿命は、遺伝子と生活が決めており、その鍵となるのは酸素だと思います。
    • 酸素とは、酸素原子が2個くっついてO2という形で飛んでいます。首を絞められたら気を失いますが、それは酸素とグルコースが脳にいっていないからです。
    • 酸素はエネルギーを作ったり、ホルモンを合成したりするときに必須の分子です。また、活性酸素はガンなどの有害な細胞を殺しにもいきます。
    • 生きる上で必須の酸素が同時に、我々の老化や死を準備しています。

エネルギー産生の目的

    • エネルギー産生に酸素を利用しない生き物もいますが、エネルギー産生効率が悪いため、単細胞のまま進化できません。海底火山の近くで酸素を使わないエビのような多細胞生物が見つかっていますが極めて特殊な例です。
    • エネルギーは、遺伝子やタンパク質など生命維持に必要な分子(インスリンなど)を作る際に絶対に必要ですし、遺伝子そのものを作るときにも必要です。
    • また生命は非常に高度な秩序を持っています。恒常性維持というのですが、血液の中のグルコースも温度も、ナトリウムやカルシウム等のイオン類の濃度も、すべて測定する臓器があり、一定に保たれているのです。そういった恒常性維持のためにもエネルギーは必要なのです。
    • 私たちの体は実は、土に帰るという無秩序に向かう状態が安定なのです。毎秒毎秒、土に帰るという安定な方へ向かっていくのですが、それを戻してくれているのがエネルギーです。つまり、何もしないで放っておくと、我々は土に戻ってしまいます。
    • 成人男性の1日の基礎代謝量は1600キロカロリーで、計算をすると1日に100キロのATPを作っています。エネルギーとして使うとすぐに元に戻るので、トータルで100キロ作っているということです。
参加者

毎日100キロ作っても、それがたまるわけではなくて、作っては戻り、作っては戻り、ということですか。

小城

はい。作っては使い、作っては使い、ということです。その結果、全てを合計すると100キロくらい作っているということです。

エネルギーの産生

    • 糖、タンパク質、アミノ酸、脂肪、このどれからもエネルギーを作ることができますが、最後、TCA回路というところで、炭素は炭酸ガスにして、水素をナイアシンというビタミンに結合させて呼吸鎖というところに持って行きます。水素と酸素が反応したら、爆発して水になりますよね。原理的には、この爆発のエネルギーから、ATPという筋肉を動かす際のエネルギーを作るわけです。
    • つまり、体内の糖やアミノ酸や脂肪から、炭素は炭酸ガスにして、水素分をもらい、その水素を使ってエネルギーを作り、生きているということなのです。
    • さて、受精卵の細胞は1つしかありませんが、赤ちゃんが生まれるまでに細胞は60兆(6×1013)個にまで増えます。1つの細胞に1つの遺伝子があり、その長さは1メートルです。細胞が60兆個ですと、遺伝子の長さはトータルで60兆(6×1013)メートルになります。
    • 太陽系の大きさは6兆(6×1012)メートルなので、赤ちゃんは誕生までの間に、太陽系を5往復できる長さのDNAを作っていることになります。この遺伝子の結合1つに、最低2つのATPが必要なのです。
    • 赤ちゃんは誕生までにものすごいエネルギーを使っており、このエネルギーを作り出すためには酸素が必要です。
熱心に聞き入るみなさん

熱心に聞き入るみなさん

活性酸素はどう生まれるか

    • 細胞表面には、バクテリアのタンパク質を認識する受容体(タンパク質)があります。白血球にバクテリアがやってきたことを認識すると、バクテリアを細胞膜で囲み、食胞という袋に閉じ込めて細胞の中に取り込んでしまいます。貪食といい、危険な分子が周囲に出るのを防いでいます。
    • そこに酵素があり、酸素を活性化して活性酸素を大量に出し、塩素を使って塩素殺菌します。そのために、過酸化水素という活性酸素を産生しなければならないのです。
    • 塩素殺菌をする際に作られる過酸化水素は危険な分子なので、食胞で取り込んで殺菌するのですが、実は細胞膜を容易に通り抜けられるのです。常に炎症が起こるところでは、活性酸素が周りに出てがんになりやすいことがわかっています。

分子の成り立ちと活性酸素

    • 水素分子は、水素原子が2つくっついて成り立っています。
    • 有機物は電子が2つ対になって化学結合を作りますが、酸素には不対電子が2つあります。こういう分子は、酸素しかないのです。
    • 活性酸素について、まず、酸素に電子が1つ入ってスーパーオキシドができ、これから過酸化水素ができます。過酸化水素に電子が入るとヒドロキシルラジカルという、不対電子(対を作らない電子)をもつ分子が生成します。こうした不対電子を持つ分子をラジカルというのですが、これが活性酸素の本体です。
    • ラジカルは連鎖反応を起こします。連鎖反応の代表は燃焼反応です。今、都市ガス、メタンの燃焼を例にとって説明しましょう。最初に点火します。点火というのはラジカルを発生しているのです。不対電子をもつラジカル、例えばヒドロキシルラジカルはメタンから水素原子を引き抜きます。ヒドロキシルラジカルは安定な水になりますが、引き抜かれた方はメチルラジカルになります。そのラジカルは、独身同士はすぐにくっつくように、不対電子をもつ酸素と結合します。
    • 酸素には不対電子が2つあるので、一方の不対電子はなくなりますが、もう一方の不対電子によってまたラジカルが生成します。するとそのラジカルが、また他のメタンの水素原子を引き抜くのです。すべての電子がペアになって存在している普通の分子のところに、奇数の電子をもつものがやってくると、絶対に止まらないのです。
    • 細胞膜でもこれと同じような反応が起こり、いろいろな有機物を壊すことになり、役に立たなくなった老廃物が産業廃棄物のように細胞中にたまったり、ラジカルが遺伝子を攻撃したりして突然変異を起こし、我々は老化したりがんになったりすると考えられています。
    • 人間の細胞を構成している細胞膜の半分は、ろうそく、天然ガス、ガソリンと同じ炭化水素の部分を含んでいます。ですから、活性酸素が出ると、連鎖反応によってろうそくなどがなくなるまで燃え続けます。ろうそくと似た成分を含む細胞膜でもこの反応が起こると、老化を起こしたりがんが発生したりします。
    • 皆さんが今燃えていないのは、体内に抗酸化系の酵素やビタミンC,Eのような抗酸化剤があり、自分が犠牲になってラジカルを普通の分子に変換してくれるからです。

体重(細胞)あたりの酸素消費量が少ないと長命

    • 1日に細胞1個あたり何キロカロリー消費するかということは、1日あたり酸素をどれだけ使うかということです。
    • 人間は、細胞1個あたりで使う酸素量が少ないので長生きします。ほ乳類の中でも、酸素を多く使うものは早く死に、ゆっくり燃えるものは長く生きるのです。
    • 使用する酸素の一定量が活性酸素になるため、酸素使用量の多い生物のほうが、酸化によって障害される速度が速い、つまり老化が速いと考えられます。

酸化ストレス

    • 酸化ストレスとは、活性酸素による障害作用とそれを修復しようとする生体作用の均衡が崩れた状態をいいます。
    • 活性酸素は、過酸化水素から出てくるヒドロキシラジカルが親方です。これは脂質、タンパク質、遺伝子などすべての有機物に反応することができ、どんどん酸化ストレスがたまっていきます。
    • ほかに、酸化ストレスを起こすものとして、たばこ、酒、放射線やアスベストなどがあります。
    • ただし、体内にはビタミンや抗酸化系酵素が多くあり、我々の体は簡単には燃えないような仕組みになっているわけです。そしてこうしたビタミンや抗酸化系酵素の原料となるアミノ酸類などは外からとらなければなりません。
    • 酸化ストレスは、老化、がん、動脈硬化、アルツハイマーなどの原因になります。

動脈硬化症とは

    • 消費者庁が認定する特定保健用食品には、特に粥状動脈硬化症の予防を目的としたものが多いです。粥状動脈硬化症は老化とともに起こる動脈硬化症で、死因のトップに関係し、がんとともに活性酸素との関連がいわれています。
    • 動脈硬化とは、悪玉コレステロールが酸化されることから始まる一連の反応が起こる結果、血管壁が堅く厚くなり、血流が悪くなることです。
    • 内臓脂肪は、実は内分泌器官であることがわかってきました。脂肪細胞は独特のホルモン(アディポサイトカインといいます)を放出します。たとえば、脳に食欲を抑制する指令を出すレプチンや、血液を固まりやすくするPAI-1、ほかに糖尿病になりやすくするものや血圧を上昇させるものもあります。
    • 動脈硬化を促進するものとして、高血圧があります。血圧が高いと、血管にストレスを与え活性酸素が出て血管が障害されます。また、糖尿病になると大量の活性酸素が出て動脈硬化を促進します。
    • 大阪大学で、アディポネクチンという、内臓脂肪から分泌される動脈硬化を予防する、とてもいいホルモンが発見されました。しかし脂肪をため込みすぎると、このホルモンは減少してしまうのです。
    • つまり、内臓脂肪に脂肪細胞をため込むと、動脈硬化を促進するホルモンをたくさん出し、動脈硬化を防ぐホルモンを減らしてしまうのです。

食品による動脈硬化の予防

    • イヌイットの人たちは魚の脂をたくさんとっており、心筋梗塞になりにくいです。ところが、同じイヌイットでもデンマークに移り住み牛や豚を多く食べ魚の脂が異常に少ない場合は、心筋梗塞で多く亡くなるというデータがあります。
    • これは統計的な疫学調査なのですが、実際に魚の脂肪から出てくるある種の化学物質が動脈硬化を予防するという化学研究がされている最中です。
参加者

炭水化物を気にすることが多いのですが。

小城

炭水化物に関しては、体重さえ維持すれば気にすることはありません。

    • 多々ある特定保健用食品の中でも、抗酸化作用を持つ特保はありません。なぜなら、カテキンやフラボノイドというものは、生体にとって異物ですので、ほとんど吸収されず、吸収されても肝臓で解毒されるため、血中濃度が低いのです。
    • 抗酸化作用を持つ酵素を誘導するような物質が出る可能性はありますが、科学的に弱い作用を証明するのは難しいです。
参加者

水素水が流行っていますが、今の観点からどうですか。

小城

いいとは思いません。ラジカルが水素分子から水素原子を引き抜く反応というのは、水素原子を発生するためエネルギー的にすごく不利なので、なかなか起こらないと思っていいと思います。またミトコンドリアが水素をエネルギー源にすることはありません。

食事や健康についての話題はみなさんの興味を引きました

食事や健康についての話題はみなさんの興味を引きました

栄養素は食品から摂取しよう

    • 食品から栄養素をとった方がいいというデータがあります。フィンランドで、50~69歳の喫煙男性約3万人を対象に5~8年に渡る介入実験として、無作為に「ビタミンE」、「β―カロテン」「ビタミンEとβ―カロテン」「プラセボ(偽薬)」を摂取する4つのグループに分け影響を見ました。
    • β―カロテンを摂取したグループの方が肺がん発生率は高く、ビタミンEを摂取したグループには特別な効果はみられませんでした。
    • 緑黄色野菜はすべてのがんの予防に効果があることが確かめられています。ただし、β―カロテンやビタミンEといった成分を取り出して飲んでも無意味だということです。サプリメントや特保の食品ではなく、食材そのものをとりましょう。
参加者

β―カロテンを摂取したグループが肺がんの発生率が高くなったというのは、何の比較ですか?

小城

プラセボ(偽薬)のグループとの比較です。

参加者

β―カロテンをとらない方がいいということですか。

小城

β―カロテンだけをとらない方がいいということです。また被験者は喫煙男性でした。β—カロテンはラジカルと結合してつかまえる作用がありますが、結合すると自分がラジカルになってしまいます。このようなことから喫煙者がβ—カロテンを摂取すると連鎖反応が起こって酸化ストレスが増大する可能性があります。しかし野菜だとβ—カロテン以外にビタミンCなども含んでいてこれらのラジカルを消去することもできるのでしょう。

参加者

野菜はどのような食べ方がいいですか。また、野菜ジュースはどうですか。

小城

野菜は、1日350グラム食べるといいと言われています。生野菜よりも加熱したものの方がより多く食べられると言いますので、調理したものを食べたらいいと思います。野菜ジュースもいいと思います。食物繊維などをそのままに製法した商品とそうでないものがありますが、ジューサーを使って自家製のジュースを作るのはいいと思います。

健康食品の問題点

    • サプリメントのヒトに対する有効性を検討するためには、医薬品と同じような二重盲検法で実験しなければならないのですが、そのデータがない場合には、「個人の感想です」というようなテロップを出してコマーシャルをしています。
    • 消費者と専門家の知識の差もあります。たとえば専門家は、試験管の中ですばらしい抗酸化作用がみられても、それが生体内で起こるとは限らないという見解を持っています。消化器系にはバリアがあり、生体異物は簡単には吸収されないのです。
    • 増毛や育毛など、培養細胞を使った商品もあります。しかし、培養細胞を用いる研究は、そのまま生体には適用できないことは、細胞生物学の大前提です。
    • 消化器系も無視されることがあります。タンパク質は基本的に分解されて吸収されます。たとえば、コラーゲンなどは牛肉の中に多く含まれていますが、アミノ酸に分解されて吸収されます。その他の非生理的食品成分は簡単には吸収されず、生体内で高濃度にはなりません。
    • また、動物実験の効果の信憑性は高いですが、動物とヒトには種差があります。たとえば昔、動物実験をしてプロポリスに抗酸化作用があるということを発表したのですが、人間には食べられないような量を動物に与えていました。実験としては正しいのですが、人間に同じことができるかというのは別の話です。
    • 食事は規則正しく腹八分、和食が基本でいろいろ食べることです。健全な食生活と適度な運動と休養をとりましょう。そしていつでも相談できる良い家庭医を持ちましょう。
参加者の方々とのお話も盛り上がりました

参加者の方々とのお話も盛り上がりました

参加者

食事は腹八分ということですが、食べ過ぎたら2日食事を抜くと、すごく内部が活性化するという話を聞いたことがあるのですが、どうでしょうか。

小城

そんなことはないと思うので、同じように食べましょう。

参加者

断食の効果はありますか。

小城

ものによるのではないでしょうか。プラセボ効果と同じで、良いと思ったら成功するかもしれません。極端な断食やエネルギーカットは必ず医師の監視の下で行わなくてはなりません。

参加者

遺伝子組み換えの食品は体に悪いのでしょうか。

小城

特殊なアレルギーを持っている人以外は、遺伝子組み換え食品が何かおかしな影響を及ぼすことはないと思います。たとえば、導入した遺伝子が作るタンパク質に対してアレルギーを持っている子どもがいないとも限らないですが、遺伝子を改変したところで毒性というものはないと思います。しかし、たとえば、特定の害虫に強い作物を作ったら、それに耐性を持った虫が出てくるといった、毒性とは別の効果はいろいろあると思います。直接的な毒性よりこのような生態学的な影響のほうが問題だと思います。

参加者

食事後すぐに運動するべきですか。食休みなどをした方がいいですか。

小城

食事後すぐに運動すると消化がおかしくなるかもしれませんが、人それぞれだと思います。

参加者

たとえば、野菜を何グラム、肉を何グラムといった、毎日何をどれだけ食べればいいかという細かい基準を示したものがあります。2~3日のうちに帳尻を合わせるようにといわれたのですが、先生はどう思われますか。

小城

毎日でなくとも、1週間で肉を何グラムなどと考えてあわせていけばいいですが、野菜は2~3日に1回は食べた方がいいでしょうし、ものによると思います。

参加者

日本食は塩分が多いといわれておりますが、薄めにした方がいいですか。

小城

塩分は必ず薄めにした方がいいと思います。アメリカの基準では、1日の塩分摂取量は5グラムですが、日本ではあり得ないですね。基本的に塩で煮るというのが日本料理の伝統です。腎臓病になった人は塩を1日6グラムに制限するのですが、少なすぎてたいていの人は無理ですね。だから日本人でも薄い味に慣れて、10グラムくらいにしたらいいと思います。

このページはJRA畜産事業の助成を受けて作成されました。
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