Information

HOME > Information » お知らせ > 第14回サイエンスカフェ「聞いてみよう!桃のコト 桃ってどんな木、気になる木?」開催報告

お知らせ

第14回サイエンスカフェ「聞いてみよう!桃のコト 桃ってどんな木、気になる木?」開催報告

掲載日: 2016年3月2日

話題提供者の高田さん

話題提供者の高田さん

2015年10月1日、第14回サイエンスカフェ「聞いてみよう!桃のコト 桃ってどんな木、気になる木?」を開催しました。
農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の高田大輔助教に、モモとはどんな果物か、モモ栽培の歴史から、生産方法や外観と嗜好性の関係について、さらには家庭で出来る鉢栽培についてまで、幅広い内容について分かりやすく説明して頂きました。
今回も多くの方にご参加いただき、質疑応答も活発に行われ、盛会となりました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

○第14回サイエンスカフェ配付資料(pdf)

※以下、記載がない場合の発言は高田氏のもの
※質疑応答は一部抜粋

モモとは?

    • モモは、バラ科サクラ属に属する果樹です。温帯果樹で、冬に葉を落とす落葉樹の高木です。実の中心に種(核)がある核果類で、人為分類では真果、子房中位果に分類されます。
    • モモは水蜜種、ネクタリン、蟠桃(ばんとう)、花モモの4つに分けられますが、みなさんが想像するいわゆる“モモ”は水蜜種を指します。
    • 水蜜種は大きく分けると白桃系と黄桃系に分けられ、中が黄色いものを黄肉種あるいは黄桃系といい、中が白いものを白肉種あるいは白桃系といいます。
    • 皮に産毛がないのがネクタリンです。蟠桃は平べったい形をしており、味はおいしいのですが生産が難しいため、ほとんど流通はしていません。
    • 果実ではなく花を楽しむのが花モモです。日本でも栽培されており、最近では花も実も楽しめる品種も開発されているようです。
参加者

モモは種が真ん中にありますが、平べったい形の蟠桃の種はどうなっているのですか?

高田

蟠桃は、真ん中が特に薄く、中には貫通してドーナツのようになっているものもあります。種は普通のモモよりもとても小さく、真ん中または穴の付近にあることが多いです。

    • モモにも花言葉と実言葉があり、花言葉は天下無敵、気立てのよさ、君の虜などが、実言葉は比類なき素質、守られた幸福、妨害は情熱を燃え立たせるなどが知られています。

モモの起源

    • 日本や中国では昔からモモが親しまれており、様々な文献や成句に登場しています。日本では古事記をはじめ、日本書紀や桃太郎、翁物語などにもモモが登場しています。中国では斉民要術や西遊記など比較的多く、古くからの文献にモモの記載が残っています。
    • モモは、「桃李言わざれども下自ら蹊を成す」、「余桃の罪」、「桃は暗闇で食え」などの成句にも使われています。
    • 「桃」という漢字は「木」に「兆」と書きます。兆という字は左右に割れることを意味しており、モモにはおしりのように線がありますが、その線で左右に分かれていることから「桃」と書くようになったといわれています。
    • また、モモの読みの語源は、実がたくさんなることから百とかいて「もも」と読むようになった、毛が生えた実なので毛々が転じて「もも」と読むようになった、赤い実だから燃実(もえみ)が転じて「もも」と読むようになったなど諸説あります。
    • 「本草和名(ほんぞうわみょう)」や「和名類聚抄(わめいるいじゅしょう)」などには桃、毛毛、毛々などの記載が残っています。

栽培の起源

    • 中国が起源で、中国の中で育種されていた場所により華北系と華中系に分かれます。日本に入ってきたモモが華北系か華中系かは明らかになっていませんが、纏向遺跡(まきむくいせき)で壺に入った桃の種が2000個発見されたことから、奈良時代(三世紀頃)には日本でも栽培されていたと考えられています。
    • 日本では食用というより、主に観賞用として栽培されてきました。また、江戸時代までは滋養強壮などを目的に、モモを漢方的な使い方で使用していたようです。
    • ヨーロッパへの伝来は、一説にはアレキサンダー王の遠征により入ってきたとされていますが、ナシなど他の果物と共に、モモもシルクロード経由で紀元前200年に入ってきたという説が有力です。
    • モモは、ペルシャからギリシャに渡ると、“ペルシャの果実”という意味のMelon Persikon(メロンペルシコン)と呼ばれるようになり、ローマでPersicum、フランスでPecheとなり、大航海時代にアメリカに入ってPeachと呼ばれるようになりました。
    • 江戸時代の日本では、「清良記」に接ぎ木方法の記述が残っていることから、観賞用として花モモの栽培が盛んであったことがわかります。
    • その頃には日本でも、愛知や岡山、福島、神奈川などモモは各地に広く伝わっており、大きさは梅より少し大きい程度の20 g~75 g程度(今の桃は200 g~400 gくらい)でした。
    • 当時栽培されていたモモは、トマト以下の糖度で甘くなかったため、主に観賞用や薬用として使われていたようです。
    • 食用のモモとしては、明治時代にヨーロッパからモモ7品種、ネクタリン6品種が日本に入ってきました。しかし日本の土地に合わず病害の被害が甚大となり、ネクタリンの数種を除いて日本で根付くことはありませんでした。
    • その後、清から上海水蜜桃や天津水蜜桃、蟠桃などいわゆる桃太郎のモモのような少し先がとがったモモが入ってきて、上海水蜜桃や天津水蜜桃が現在のモモの先祖となりました。

モモの栽培

    • 明治30年頃に白桃や日月桃など新品種の育種に成功しました。
    • さらに、モモ栽培には病害被害がとても多いため、病害虫を寄せ付けないよう果実に袋をかけて栽培する方法も明治時代には岡山県で行われています。
真剣に聞き入っているみなさん

真剣に聞き入っているみなさん

参加者

モモを袋で覆う栽培方法は日本のオリジナルな方法なのですか?

高田

モモに関してはほぼ日本のオリジナルと言っていいでしょう。明治になる直前、池田藩はモモの栽培を導入しようと試みましましたが、病害被害が深刻となり上手くいきませんでした。ちょうどその時、ナシ農家から「ナシは袋をかけると病気を防ぐことができる」ということを聞きつけた池田藩は、その技術を学んでモモを栽培するように言ったという記述があります。それが明治になってからのモモの袋かけ栽培に繋がったと考えられます。

参加者

ところで、日本には結構昔にモモが入ってきているのに、食用のモモが明治時代になるまで入って来なかったのはなぜなのでしょうか?

高田

当時の日本では、サクラと同じように、モモにも花としての価値しか見出していなかったためだと考えられます。

参加者

では、花の咲き方や見え方など、花としてのモモの方がより広がっていったということですか?

高田

そうですね。現存する花モモの種類は、江戸時代にもあった日本の花モモの特徴を受け継いでいる品種が多くあります。

参加者

品種改良といっても、当時は現在のように遺伝子組み換えという訳にはいかないと思うのですが、昔はどのように品種改良をしていたのでしょうか?

高田

「おいしいものとおいしいものを掛け合わせれば、よりおいしいものができるのではないか」というように育種していたのではないかと考えられます。しかし、モモの場合は、おいしいものとおいしいものを掛け合わせても、おいしくないものが出来る可能性が高いため、掛け合わせよりも、良いものができたら、それを接ぎ木で増やしていくという形が主流となっています。

    • モモの木の寿命は20年ほどで、幼木期、実はつきますが品質にばらつきが見られる若木期、最も果実が収穫できる成木期、実がならない老木期に分けられます。
    • 「桃栗三年柿八年」という言葉がありますが、種から植えると約3年で実がとれます。接ぎ木したものだと2年で実がとれ、特殊な方法でやれば、接ぎ木して1年でも実がとれます。
    • 花は3月下旬から4月上旬に咲きます。花から実になるまでにかかる期間は、一般的な品種は100日くらいです。遅い品種だと150日かかるものもあり、早生の品種だと60~70日で実になるものもあります。
参加者

花が咲く時期は一緒なのに、実になるまでの時間が短いとはどういうことですか?

高田

ハウス栽培などで温かくし、花も早く咲かせて実も早くならせるということもありますが、もともと短い時間で実が熟す品種もあります。しかし、あまりにも早すぎると、実がおいしくなくなってしまうという問題がありますね。

    • 根の動きは、早いと2月下旬から動き始めて、5月の上旬あたりでピークになります。その後、実が大きくなるにつれて根は伸びなくなりますが、収穫が終わった秋頃にまた伸び始め、11月頃までに根の成長は完了します。
    • モモの木はマイナス15度などの低温でも耐えられますが、若い木や弱っている木などは枯れやすいので注意が必要です。
    • 低温環境から少しでも温度が上がると、木は葉を出そうとして、貯蔵していたでんぷんを糖に変えてしまいます。そのため、木の耐寒性がなくなり、暖かい日が続いた後に寒い日が戻ると、枯れてしまうことがあります。
    • 日本では、モモの生産上の北限は山形とされていますが、ちょっとした栽培などでは北海道の伊達市などでも行われているため、厳密には山形より北でも栽培は可能です。寒いところで栽培されるモモは、温かいところで栽培されるモモに比べて弱いとされています。
参加者

モモは他の果物のようにハウス栽培はされているのでしょうか?

高田

されています。山梨が多く、2月頃に加温が開始され、3月上旬頃に花を咲かせ、5月の前半に売る、といったサイクルです。出回っていない時期に売ることで高い値段で売れるというメリットがあります。逆に、1月に売るために夏に冷房を入れて育てるようなことはなく、ハウス栽培には、早生の品種をさらに早くして高く売る、または8月頃に成熟する品種を路地物があまりおいしくない時期に前倒しして売り出すという2種類があります。基本的には5月頃に売りたい時にハウス栽培されることが多いようです。

    • 開花期には摘蕾・摘花という作業を行います。実がなり過ぎると、質の高い果実とならないため、蕾や花を取る作業をして花の数を減らし、実の数を調整します。そのため、花から果実になるのは、花の1%以下しかありません。さらに摘果をして数を調整し、質のよい果実を育てます。
    • 収穫時は“果実を握らないこと”がとても重要です。握ってしまうと果肉にも影響してしまいます。
    • 収穫後と萌芽前には施肥をします。冬には剪定で枝を整えます。夏にも別途剪定をすることもあります。

モモの生産

    • 世界におけるモモの生産量は圧倒的に中国が1位です。2位がイタリア、3位がアメリカと続き、日本は18位です。
    • 日本におけるモモの栽培面積は、戦後増加しましたが、近年減りつつあります。
    • 国内の生産量は、上から山梨県、福島県、長野県、和歌山県、山形県、岡山県と続きます。1位と2位の山梨県と福島県の生産量を合わせると、全国の生産量の5割以上を占めます。
    • 岡山県はモモの生産量が全国6位ですが、他の生産県のモモよりも単価が高く、岡山県の市場単価は他県のモモの約2倍です。
    • 白い皮の桃は、そのほとんどが岡山県で生産されており、他の県ではほとんど赤い皮のモモが生産されています。
    • 中国での生産量の多さに驚きでした

      中国での生産量の多さに驚きでした

モモの色

    • モモの黄色はカロチノイド、赤色はアントシアニンによるものです。モモの皮は、緑色のクロロフィルが分解されると共に、アントシアニンが蓄積することで赤色となります。アントシアニンは光の量で調節されるため、白いモモは5月下旬に果実袋を手作業で装着することで日光が果実にあたらないようにして栽培されています。
    • 袋掛けの主な目的は病害虫による被害や雨による裂果を避けるためです。
    • 農家の人は果実袋を1時間で150~200枚かけるのに対し、素人では50枚程度しかかけることは出来ません。果実袋をかける作業は、まさに職人技といえます。
    • 果実袋が果皮の着色程度に与える影響を検討した結果、無袋栽培がもっとも赤く、光を通しやすい白色の有袋栽培、ある程度光を通す橙色の有袋栽培、光の透過がほとんどない黒色の有袋栽培の順にモモの赤色が薄くなりました。
参加者

有袋栽培と無袋栽培では太陽の光は同じようにかかるのでしょうか?

高田

葉には同じように光がかかっていますが、果実にあたっている光の量は袋の有無で異なります。

参加者

果実にあたる光の量が違うのに、同じ味になるのでしょうか?

高田

光合成をする葉にあたる光の量は同じですから、糖度などにはほとんど影響せず、味にはあまり違いがないと思います。

参加者

モモの甘さは葉で作られるということでしょうか?

高田

そうです。糖分は葉で作られてから、実の方に移動していくのです。

同じ木からとれた赤いモモと白いモモ

同じ木からとれた赤いモモと白いモモ

外観に対する嗜好と栽培技術

    • 同じ木からとれた同じ糖度の赤いモモと白いモモを並べて売った時、消費者がどちらを選ぶかという販売調査を都内でしたことがあります。その結果、岡山や大阪などの近畿圏出身の方には白いモモが好まれ、関東やその周辺、九州出身の方などには赤いモモが好まれるという結果を得ました。
    • 東日本の市場では、色鮮やかで完熟感のある赤色が好まれ、近畿圏では、モモといえば白桃のイメージがあり、やんわり色づいた白色系が好まれるということがわかりました。
    • 大阪は昔、モモの産地でした。当時は大阪も袋掛け栽培でしたので、白いモモを生産していました。工場の増産に伴い大阪市内のモモの産地は減ってしましましたが、大阪の高齢者の方は今でもモモといえば白いモモというイメージを持っています。そのため、大阪でも白いモモが人気なのではないかと推測されます。
    • 山梨県では、軟らかいモモではなく、硬くシャキシャキしたモモが好まれており、さらに、洗って毛を落とし、皮ごと食べるのが主流です。
    • 岡山県では、極力軟らかくなるまで置いておき、皮が手できれいにむけるほど完熟したモモを食べるのが一般的です。
    • 明治17年頃に岡山県で有袋栽培が導入されましたが、昭和24年頃に福島県と山梨県で無袋栽培に関する研究が進み、農薬などを用いることで数年後に無袋栽培が実用化されました。それにより生産効率が上がった山梨県では、さらにモモ栽培が広まり、それに伴って赤いモモが関東を筆頭に一般的になっていきました。こうして着々と“モモ=赤い”というイメージがついていきました。
    • 現在では、果皮の着色を望む地域に出荷する場合は、無袋栽培または除袋栽培を行います。除袋栽培とは、有袋栽培をしてから、出荷1週間前頃に袋を外して赤く着色させる方法です。
    • 山梨では「真っ赤に熟れたモモ」を売りに果皮の着色を望む地域に出荷し、岡山では「上品な白桃」を売りに果皮の着色を望まない地域に出荷しています。
    • 結局のところ、「どっちがおいしいの?」という疑問が出てきますが、どちらもたいして変わらないというのが結論です。果実袋をかけていないモモも、しばらく木の上に置いておけば軟らかくなりますし、果実袋をかけているモモも早採りすれば硬くなるのです。赤いモモの方がより光があたっているから、なんとなくいいのではないかと感じますが、糖度などには差がありません。
参加者

果肉の硬さはモモを木にどれくらい長くおいておくかで決まるということですか?

高田

収穫してからおいておく追熟もそうですが、軟らかくなるかどうかは、収穫適期をいつにするかによって変わります。硬くしないと日持ちがしないので、基本的には硬い時に収穫して、輸送中に追熟させます。山梨県のように、大規模な販路で大量に販売する場合は、収穫をぎりぎりまで遅らせて軟らかい状態で出荷してしまうとロスが増えてしまいますが、岡山県のような県内や近郊のみの販売向けであれば、可能な限り収穫時期を遅らせて完熟にすることが出来ます。岡山産のモモは単価が高いので、高価なフルーツキャップ(フルーツ用緩衝材)などを用いて輸送環境を整えることができるため、ロスを多く出すことなく出荷できるのです。

参加者

硬さの違いによって、糖度に差は出てくるのですか?

高田

変わらないですね。木の上に長くおいた方が、葉で作られる糖分が多く果実にくるのですが、長くおくとその分、糖が通る軸の部分が弱ってしまうため、結局大きな差にはならず、糖度の差は生まれないのです。

    • 硬度に関しては、果実袋を掛けていないモモの方が皮が厚くなるため硬いですが、その硬さは、まだ青い状態なのか熟れた状態なのかに強く依存するため、果実袋の有無は硬度にあまり関係ないといえます。
    • 山梨県のモモは無袋栽培で、実が硬く、洗ってそのまま皮ごと食べられます。県外輸出や大量消費用として生産されています。
    • 岡山県のモモは有袋栽培で、実が軟らかく、よく熟れたモモの皮を手でむいて食べられています。県内消費、大阪などの近郊都市への輸出用として生産されています。
    • モモ食文化において、モモに対する嗜好は味ではなく、それぞれの特徴を生かしたイメージや栽培技術によって左右されていたのです。
    • 岡山県のモモは、果物袋を使ったマスカットなどの影響で既に“岡山の果物=高級フルーツ”というイメージがあるため、相乗効果によってより一層“有袋栽培のモモ=手の込んだ栽培方法で栽培されているモモ”というイメージに繋がっているのかもしれません。
    • また、忍耐強く、とにかくたくさん生産して売るという実利主義の山梨と、向上心旺盛で、凝り性の岡山というそれぞれの県民性がモモ生産にも反映されているのかもしれません。

モモの鉢植え栽培について

    • 最近は、既に鉢に植えられている苗などもホームセンターなどで売っています。買ってきた苗はまず切り戻しを行います。するとそこからまた1本伸びてきます。その先端を5月くらいに切り落とすと、切ったところの下からまた3本くらい生えてくるので、この状態で買った年の冬を過ごしてください。すると、翌年実がつきます。
    • モモの苗木では、台木を使っているので、下の方まで切りすぎてしまうと台木のおいしくない実が出来てしまうので注意が必要です。買った苗木が既に枝分かれしているものは、わざわざとめて一本にしなくても、木を大きくしたい場合は、そのまま残しておけば、来年実が数個とれて、再来年からたくさんとれるようになります。
    • 果実をとりたければ枝を残せばいいのですが、木を大きくしたい場合は剪定をしっかりすることが重要です。
    • 実をたくさんつけると木が弱るのも早いため、次の年からも実をとりたい人は実の数を調節する必要があります。できれば、蕾が膨らむ前に9割以上の蕾を摘蕾しましょう。60 Lくらいの植木鉢だと、どんなに多くても10個~15個くらい残すのが限度です。
参加者

花も楽しみたいから、ある1本の枝についた蕾だけはあまり摘まずに残す(他の枝についた蕾は摘蕾する)などではだめなのでしょうか?

高田

他の蕾を摘蕾していても、結局その枝の分の花を咲かせるために多くの養分を使ってしまいます。実を採りたいのならば、心を鬼にして摘蕾することが大切です。

    • 残す果実は、6 Lの鉢植えだと3個程度が限度です。20 Lで7個、60 Lで20個くらいにすれば、5年くらいは木が持ちます。
    • 果実を付けすぎると、木が弱ってしまい、そのままダメになってしまうこともあります。
参加者

摘果された小さいモモはどうなるのですか?

高田

残念ながら捨ててしまいます。摘果メロンのように摘果された果実が食されているものもありますが、砂糖漬けにした摘果モモはあまりおいしくないのです。

参加者

摘果した小さいモモの種は硬いのですか?食べられるのですか?

高田

基本的には硬いです。本当に早い時期に摘果したものなら核の部分が硬くなる前に漬物などにするので、食べられないわけではありませんが、あまりおいしいものではありません。

    • モモは、水が少しでも不足すると渋いモモになってしまいます。1日に2回水やりをすることもあるほどです。
    • モモは乾燥に弱いですが、湿潤にも弱いデリケートな木です。そのため、適度な水やりをする必要があります。毎日灌水がでるような装置を使うのもよいです。
    • モモの渋みは加熱で弱くなります。渋いモモが出来てしまったら、お菓子にして楽しむことをおすすめします。特に、ゼリーにすると、ゼラチンのタンパク質と結合し、より渋みが和らぎます。
    • モモは基本的に自家受粉しますが、花粉がない品種もあるため、各自で確認が必要です。
    • 早生の品種は、実は小ぶりになりますが、自分で作ったという愛情補正を加えれば十分おいしく食べられると思います。
    • 晩生の品種の方が、実が木についている時間が長い分、果実が虫や病気などの害にあうリスクが高くなります。
    • 実を楽しみたいのならば、10月に収穫するような晩生の品種には手を出さず、花が咲いてから実がつくまでに100日くらいで果実がとれる一般的な品種を選ぶのがおすすめです。
家庭でできる鉢植え栽培にみなさん真剣です

家庭でできる鉢植え栽培にみなさん真剣です

このページはJRA畜産事業の助成を受けて作成されました。
PageTop
error: 右クリックはお使いになれません。