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お知らせ

4大学共催フォーラム「食科学の近未来−守りと攻めの備えは万全か−」開催報告

掲載日:2016.03.31

大阪府立大学、岩手大学、東京大学、神戸大学のセンター長。これからもさらなる連携を進めていきます。

大阪府立大学、岩手大学、東京大学、神戸大学のセンター長。これからもさらなる連携を進めていきます。

12月3日および4日に共同開催フォーラム「食科学の近未来―守りと攻めの備えは万全か-」を開催しました。
このフォーラムは、東京大学食の安全研究センター、神戸大学食の安全・安心科学センター、岩手大学動物医学食品安全教育センター、大阪府立大学食品安全科学研究センターの協同活動の一環として開催したものです。
「食科学」をキーワードに幅広い話題について10名の方々からご講演をいただき、約130名の方にご参加いただきました。また、両日ともに行われたパネルディスカッションでは、積極的な質疑応答が行われました。パネルディスカッションでは、科学的な情報をいかに消費者へ伝えるかその重要性と課題について、守りである食の安全と攻めとしての食品の機能開拓に共通して話題となっていました。

こちらでは、当日の簡単な記録を紹介いたしますので、講演要旨集と併せてご覧下さい。

【講演要旨集】
第一部 安全を確保し健康を守るために(日本の食の安全は大丈夫か?):講演要旨(PDF)
第二部 食品の新しい機能を開拓する(新しい食品の可能性を探る):講演要旨(PDF)

12月3日 安全を確保し健康を守るために(日本の食の安全は大丈夫か?)

フォーラムの1日目は食の安全の「守り」に関して、ジビエの安全性、食品照射、食品添加物、そして農薬についての講演と公開パネルディスカッションが行われました。

食品総合研究所の等々力氏「食品の放射線照射の海外での現状」

等々力氏「食品の放射線照射の海外での現状」

最初の講演は北里大学獣医学部の髙井伸二氏より、野生動物肉(ジビエ)が食肉として利用される際の安全性確保上の課題が紹介されました。鳥獣被害の深刻化にともない、イノシシやシカの捕獲数が増加している現状からも、野生動物肉を食肉利用するための適正なリスク評価と管理体制の整備が重要であるとのことでした。
次に食品総合研究所の等々力節子氏より食品の放射線照射について、健全性の評価について、また米国、中国などの海外での利用状況についての解説がありました。ここ数年で、植物の輸入検疫処理のために放射線照射が積極的に導入されている例も紹介されました。

西島氏「食品の安全性を考える−食品添加物を中心に−」

西島氏「食品の安全性を考える−食品添加物を中心に−」


そして、実践女子大学名誉教授の西島基弘氏より、消費者が不安を持つものとして挙げられることの多い食品添加物について講演がありました。食品添加物は、発がん性や遺伝毒性など多くの試験結果をもとに、食品ごとに許容量が設定されており、市販品に許容量を超えた過量使用がないかぎり安全は確保されていること、しかしながら消費者が食品添加物に不安を持つ背景の一つに、学校教育もあるのではないかというお話がありました。
1日目の最後の講演は東京大学農学生命科学研究科の浅見忠男氏より、農薬について製品の安全性と使用方法の両面から、どのように管理されているのか紹介がありました。農薬に関連した食の安全・安心については、人口増加が予想されている世界において食べるものが十分にあるという食の安全保障の問題、また健康への影響は摂取する量で変わるため、リスクという考え方が大切であることなどのお話もありました。

以上の講演の後、講演者4名とともにパネルディスカッションを行いました。このパネルディスカッションでは、来場者から寄せられた質問に各講演者が答えました。

パネルディスカッションの様子(第1日目)

パネルディスカッションの様子(第1日目)

12月4日 食品の新しい機能を開拓する(新しい食品の可能性を探る)

2日目には機能性食品の開発を「攻め」として現在進められている研究についての講演とパネルディスカッションが行われました。

安川氏「エコナの問題と食の安全にについて」

安川氏「エコナの問題と食の安全にについて」

午前中のセッションでは、まず花王株式会社の安川拓次氏より、エコナに起こった問題と、花王が社内で実施したエコナの評価試験および追跡調査についてのお話がありました。
次に東京大学農学生命科学研究科の戸塚護氏より、免疫応答を抑制的に制御する細胞に対して分化促進・活性化の働きをもつ植物化学物質(フィトケミカル)の検索研究についてその成果が紹介されました。
続いて神戸大学農学研究科の吉田健一氏より、特異な生理活性を有するイノシトール類の開発について、特にダイズなどのマメ科植物に含まれるピニトールの開発状況について報告がありました。

午後のセッションでは、産業技術研究所の辻典子氏から、乳酸菌が小腸の共生細菌として免疫システムに与える影響について、最新の研究成果の報告がありました。

野地氏「農免疫研究を基盤とした経口ワクチン開発」

野地氏「農免疫研究を基盤とした経口ワクチン開発」

次に東京大学農学生命科学研究科の佐藤隆一郎氏から、抗肥満・血糖降下作用が期待される食品成分の評価試験や、胆汁酸−TGR5応答経路を介した代謝調節機構の解明研究について、研究成果が紹介されました。

休憩の後、東北大学食と農免疫国際教育研究センターの野地智法氏より、家畜の粘膜免疫研究の最前線について紹介があり、粘膜免疫の研究から経口ワクチン開発に向けた研究成果の報告がありました。

最後に、大阪府立大学食品安全科学研究センターの三宅眞実氏と、東北大学食と農免疫国際教育研究センターの野地智法氏から各センターの紹介があり、神戸大学食の安全・安心科学センターの大澤朗氏から共催フォーラムのこれまでの歩みについて紹介がありました。

以上の講演の後、第2日目の講演者6名とともにパネルディスカッションを行いました。第1日目と同様、来場者から寄せられた質問に講演者が答えました。

パネルディスカッションの様子(2日目)

パネルディスカッションの様子(2日目)

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